悟空「やめだ。」

フリーザ「な、なんだと・・・!?や、やめだとはどういうことだ!?」

悟空「今の怯え始めた貴様を倒しても意味はねぇ。もうオレの気は済んだ。おめぇのプライドは既にズタズタだ。」

悟空「ショックを受けたまま生き続けるがいい、ひっそりとな・・・。どうしても決着をつけたかったら、体力を回復させ、更に腕を磨くんだな。」

フリーザ「・・・いいでしょう。次こそ、お前を殺してやるぞ、スーパーサイヤ人、孫悟空!!」

悟空「・・・ふっ、その意気だ。じゃあな、フリーザ。」

悟空は、フリーザを見逃した。


フリーザは悟空に破れてからというものの、何年も激しい修行を重ねた。
この物語は、宇宙最強の名を失ったフリーザの、あったかもしれない話、である・・・

フリーザ「はぁ、はぁ・・・ダメだ。ダメだダメだダメだぁ!!こんなものじゃ、あいつを倒すことなんてできやしない・・・!」

フリーザ「はぁぁぁ!!ふんっ!!でぇいっ!!」

フリーザ「ふぅ、ふぅ・・・ちょっと一息入れましょうか」

フリーザ「こうしていると、昔を思い出しますね・・・。兄や父の後ろ姿を見ていたあの頃を・・・」

コルド『フリーザや。調子はどうだ?』

フリーザ『パパ。わたしなどまだまだです。早くパパやお兄様のように、宇宙を統べる帝王のような威厳と風格を身につけたいです』

コルド『はっはっは。なぁに、大丈夫だ。なにせお前はこのコルド大王の息子なのだからな。わしは、お前ならクウラを超えられると思っておるのだ。』

フリーザ『このわたしが、お兄様を・・・?』

コルド『そうだとも。クウラは確かに天才だが、お前はそのストイックさがなにより素晴らしい。わしやクウラが持ちえなかった才能とも言えよう。』

コルド『その気持ちさえ忘れなければ、お主はかならずや宇宙最強になれる。わしが保障しよう。』

フリーザ『・・・はい。ありがとうございます。』

フリーザ「パパやお兄さんは、今どうしているのでしょうね・・・。一度、惑星コルドに帰ってみるのも・・・いや、それはダメですね」

フリーザ「それは、ボクが再び宇宙最強の座を取り戻してから・・・」

フリーザ「さて、そうと決まれば休んでいる暇はありませんね。今のボクは裸の帝王なのですから」

フリーザはそれからも、修行を重ねた。
ある時は生き物の存在しない惑星を訪れでは一心不乱に鍛錬を重ね、ある時は悪政を働く惑星の王を倒し・・・

そうして暮らしていくうちに、フリーザの中である感情が生まれ始めていた。

子供「ありがとう、お兄ちゃん!」

フリーザ「ふふふ、礼には及びませんよ。さ、もう行きなさい」

子供「うん!」

フリーザ「こうして身も知らぬ者を助けるのも、気持ちのいいものですね。あの孫悟空というサイヤ人の気持ち、少しだけわかった気がしますよ」

フリーザ「そして同時に、今までボクがしてきたことの罪深さも・・・」

フリーザ「いけませんね。どうも、最近は感傷に浸ることが増えてきたようです」

フリーザ「今のボクの力は、一体どれくらいになったのでしょうか・・・。確か今ボクが使っている宇宙船の中に、スカウターがありましたね」

フリーザ「・・・・・・。(ガサゴソガサゴソ)お、ありましたよ。装着して、と・・・」

ピピッ・・・ピピッ・・・

フリーザ「・・・ん?なんだ、この惑星に近づいている気は?・・・大きいですね・・・まさか!?」

フリーザ「嫌な予感がしますよ。もしもパパやお兄さんだったら、今のボクを見てどう思うのか・・・。」

フリーザ「くっ、こういう時気をコントロールできるのが羨ましくなりますね」

フリーザ「あのベジータに出来て、このボクに出来ないわけがない・・・気を抑えるんだ・・・」

フリーザ「・・・ふふふ、さすがボク。どんどんスカウターに表示されるボク自身の戦闘力数値がさがっていきますよ・・・」

コルドの宇宙船―――

下級兵「・・・あれ?」

コルド「どうした?」

下級兵「おかしいですね。今まであの惑星にあった大きい戦闘力反応がなくなりました」

コルド「なんだと?」

コルド「ふむ・・・まぁ世界には気をコントロールする部族もいるからな。気を消すこと自体は不思議ではないが・・・。」

コルド「表示されたほどの強さなら、もしやフリーザかもと思ったが、あやつは気のコントロールはできんはずだからな。」

コルド「おそらく違う奴だろう。引き返せ」

下級兵「はっ!」

フリーザ「どんどん遠ざかっていく・・・どうやら引き返してくれたようですね。危ない危ない・・・」

フリーザ「さて、それで今のボクの戦闘力は・・・と」

ピピピピピッ

フリーザ「ふむ・・・MAXの50%でこれほどですか。」

フリーザ「今のボクならフルパワーを出しても体への負担はなくなっているはずだから・・・」

フリーザ「今なら、孫悟空にも勝てるかもしれない・・・!?」

フリーザ「ふふふ・・・ついにこの時が来たようですね。孫悟空!今こそ、復讐の時ですよ!」

フリーザ「さて、ここから地球までの距離は、と・・・。」

フリーザ「到着は約半月後ですか。なら、久しぶりにゆっくりと寝ることにしましょうかね・・・」

半月後、地球―――

フリーザ「着きましたか、地球に」

フリーザ「ほぉ・・・辺境惑星のくせに、なかなかどうして美しいじゃないですか」

フリーザ「まぁいいでしょう。さて、ボクが来たのを孫悟空たちは察知しているはずですね。」

フリーザ「とりあえず辺りをスカウターで調べてみましょう」

ピピッ・・・ピピッ・・・

フリーザ「・・・・・・・・・。」

ピピッ・・・ピピッ・・・

フリーザ「・・・おかしいですね。この星全体に、大きい反応があまりない・・・?」

フリーザ「それに、この辺りには誰も来ていない・・・。ボクが来たことに気付いていないのか・・・?」

フリーザ「とりあえず、表示された中で一番大きい数字の持ち主のところへ行ってみましょうか」

フリーザ「この辺ですね・・・。戦闘力、400万ほどですか」

??「はぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!」

フリーザ「修行中の様子ですね。戦闘力が荒々しく変化していますよ。」

フリーザ「さて、孫悟空か、ベジータか、それともあのナメック星人か・・・」

??「ふっ!はっ!だだだだだだ!!!」

フリーザ「あの色の胴着は・・・孫悟空?いや、それにしては戦闘力反応が小さすぎる・・・」

フリーザ「まさか、悟飯・・・?」

悟飯「はぁ・・・はぁ・・・」

フリーザ「久しいですね、孫悟飯」

悟飯「っ!?だ、誰だ!?」

フリーザ「ボクのことを忘れてしまったんですか?」

悟飯「ふ、フリーザ・・・ッ!!」

フリーザ「ボクはあなたには用はありません。孫悟空はどこですか?」

悟飯「お前に教える必要はない!!はぁぁっ!!」

バシュゥゥ!

フリーザ「! ・・・ほぉ。あなたも超サイヤ人に目覚めたんですね」

悟飯「・・・・・・・・・。お父さんに代わって、俺がお前を倒す!」

フリーザ「ふん、ガキが一丁前に・・・。いいでしょう、かかってきなさい」

悟飯「はぁっ!!」

ダダン、バッ、ドガッ!!

フリーザ「ほぉ、あのナメック星での戦いからは想像もつかないほどのパワーアップを果たしていますね!」

フリーザ「だが、今のボクの敵ではない!!」

ヒュッ

悟飯「!? ど、どこに行った!!」

フリーザ「上だぁぁ!!」

悟飯が見上げると、フリーザの膝蹴りが顔面近くまで迫っていた

悟飯「っ!!くっ・・・」

ピタッ

悟飯「・・・!?」

フリーザ「ふふふ。ボクはあなたに用はないと言ったはずですよ。」

フリーザ「今の攻撃であなたは死んでいましたが、ボクはあなたの命は奪いません。さぁ、教えなさい。孫悟空はどこですか?」

悟飯「・・・お父さんは・・・。・・・・・・・・・死んだ」

フリーザ「・・・・・・・・・。・・・・・・・・・なんだと?」

悟飯「何度も言わせるな。お父さんは・・・もう何年も前に、心臓病で、死んだ・・・」

フリーザ「ば、バカなっ・・・!?」

悟飯「その左目につけてるスカウターで調べたらわかるだろう?もう、この星には戦士と呼べるほどの強い奴はいない・・・」

フリーザ「た、確かに少ないとは思っていたが・・・。」

フリーザ「なら、あのナメック星人やベジータはどこに行ったのだ!?」

悟飯「・・・・・・・・・。」

フリーザ「答えろ!!」

悟飯「その前に、教えなきゃならない事がある。・・・今のお前からは、そんなに悪い感じがしない」

フリーザ「ふんっ」

悟飯「お父さん・・・孫悟空が死んでから半年後、この星に二人の悪魔が現れた」

フリーザ「悪魔・・・?」

悟飯「ああ。どこから湧いたのか、二人の人造人間が姿を現したんだ。そいつらが、ベジータさんやピッコロさん・・・それに他の俺の仲間も、そいつらに全員殺された」

フリーザ「なんということだ・・・!」

悟飯「・・・?」

フリーザ「孫悟空・・・ボクに勝ったまま勝ち逃げとは・・・!今までボクは、お前を倒すためだけに修行を重ねてきたのに・・・!!」

悟飯「お父さんから、お前の話も聞いた。俺と戦いたいんなら、更に修行を重ねて強くなるんだ、と伝えてきたって。」

悟飯「そして、フリーザ。現にお前は相当強くなってこうして現れた。」

フリーザ「お前に褒められたってちっとも嬉しくなんかない!!くそぉ・・・!」

悟飯「・・・なぁ、フリーザ」

フリーザ「・・・なんです?」

悟飯「恥を承知で頼みたいことが

フリーザ「お断りですね」

悟飯「・・・・・・。」

フリーザ「どうせその二人の人造人間を倒してくれとでも言うんでしょう?」

フリーザ「孫悟空がそいつらに殺されたというなら話は別だが、違うのだろう?」

フリーザ「悪いが、ナメック星人やベジータはボクの敵じゃないんでね。そんな奴らの仇なんて討ってもつまらん」

悟飯「・・・そうか。そうだよな。」

フリーザ「・・・ふん。だがまぁ、あくまで個人的にそいつらを痛めつけるくらいならしてやってもいい。」

フリーザ「もはやボクの目標は達成できないものになったからね。暇つぶしにはちょうど良さそうな相手だ」

悟飯「・・・!ありがとう、フリーザ」

フリーザ「お前に礼を言われるようなことなどない。さて、その人造人間はどこにいるのやら・・・」

カチッ

悟飯「それじゃ表示されないだろう。あいつらは気を持たないんだ」

フリーザ「む。・・・なるほど、それもそうですね。じゃあ、具体的に奴らの戦闘力はわからんということですか。」

フリーザ「まぁ、それも楽しそうではありますね。で、ならどうやって探せばいいんですか?」

悟飯「奴らは町で適当に暴れるのが大好きなんだ。だから、待っていれば奴らが騒ぎを起こして居場所を教えてくれるはずだ」

悟飯「それまでは、待っててくれ」

フリーザ「ふん・・・つまらんな。まぁ、いいだろう」

悟飯「とりあえず、今地球に残っている戦士を紹介する。俺についてきてくれ」

悟飯「ここだ」

フリーザ「地下、ですか」

悟飯「ああ。ちょっと、ここで待っててくれ」

タッタッタ・・・

悟飯「連れてきた。ほら、トランクス。挨拶だ」

トランクス「は、初めまして・・・」

フリーザ「お前も、サイヤ人の血が混じっているな・・・」

悟飯「トランクスは、ベジータさんの息子だ」

フリーザ「! ベジータの息子ですか。あの野蛮な奴に子供が・・・」

トランクス「ねぇ悟飯さん。この人誰?」

悟飯「トランクスも名前くらいは聞いたことあるだろう?フリーザだよ」

フリーザ「初めましてトランクス。以後お見知り置きを」

トランクス「え、フリーザって、あの悪者の!?」

悟飯「今はそんなに悪い奴じゃない。あの人造人間と戦ってくれるって言ってくれてるからね」

フリーザ「ふふ、ほんの暇つぶしですよ」

ブルマ「トランクス、悟飯くん!人造人間のニュースが・・・っ!!?」

トランクス「あ、母さん!」

ブルマ「ふ、ふ、フリーザ・・・!?なんで地球に・・・!?」

フリーザ「おやおや、ボクの顔を知っているみたいですね」

ブルマ「い、いえ、そんなことよりも・・・二人とも、人造人間のニュースが入ってるわ!」

悟飯「なんですって!?」

トランクス「悟飯さん!」

ブルマ「今は北のソルトタウンを破壊してるみたいだわ。人造人間め・・・」

フリーザ「北、ですね。わかりましたよ」

ブルマ「えっ?」

フリーザ「では、行って来ますよ。暇つぶしに、ね」

悟飯「俺もついていこう」

トランクス「ぼ、僕も・・・」

フリーザ「悟飯はともかく、トランクス。お前は足手まといにしかならん」

トランクス「そんなことは・・・!」

ブルマ「え、え?どういうこと?」

悟飯「そのことに関しては、後で説明します!行こう、フリーザ!」

フリーザ「ボクに指図するんじゃありませんよ!」

バシュウゥ・・・

トランクス「悟飯さん・・・フリーザさん・・・」

ブルマ「なんだかよくわかんないけど、孫くんの息子さんにあのフリーザが一緒なんだから、大丈夫よ」

ブルマ「きっと人造人間を倒してきてくれるわ」

トランクス「・・・はい」

北の都、ソルトタウン―――

17号「はーはっはっはっは!」

18号「あっはっはっはっはっは・・・」

ピッ ドオオォォォーーー・・・ン

フリーザ「・・・やりたい放題ですね、やつら。」

悟飯「くそぉ、人造人間めぇ・・・!!」

フリーザ「かつての自分を見ているようで、腹立たしいですよ。」

スタッ スタッ

17号「ん?なんだ、お前か悟飯」

18号「なんか変な奴連れてるけど、またあたしたちに挑みに来たのかい?本当に懲りないやつだねぇ」

フリーザ「これは初めましてお二方。ボクはフリーザです。以後、お見知り置きを」

17号「フリーザ?聞き覚えがあるぞ・・・確か、孫悟空と戦って破れた宇宙の帝王だとか」

18号「へぇ・・・既に死んでる奴に負けた奴が、あたしたちに何の用なの?」

フリーザ「なに、ちょっとした暇つぶしに来ただけですよ。あのナメック成人とベジータを殺したというお二方と戦いたいと思いましてね」

17号「・・・へぇ。面白いじゃないか。俺たちと戦いに来たって?」

18号「馬鹿馬鹿しいね。勝てるとでも思ってるの?」

フリーザ「御託はよろしいから、かかってきなさい。悟飯、手出しは無用ですよ」

悟飯「・・・わかった」

悟飯は一人、空を飛んでその場を離れる

フリーザ「さて、このボクの修行の成果を試す時が来たようですね」

17号「生意気な奴め!」

バッと、17号がフリーザに向かっていく

フリーザ「ふんっ!!」

ダダンッ、バキ、ドカァ!!

ヒュッ、グシャ、ズンッ!

17号「この野郎!!」

フリーザ「なかなかやりますね、人間風情の作り物にしては!だがっ!!」

バキィィィィィ

17号「くぁっ・・・」

ヒュー・・・ドサッ

スタッ

フリーザ「どうしました?この程度ですか?」

18号「17号、大丈夫!?」

17号「く、くそ・・・18号、やるぞ!!」

18号「ああ、わかってるよ!」

フリーザ「おや、今度は二人がかりですか?いいですよ、かかってきなさい」

フリーザ(しかし・・・なんというのでしょうか。他の奴らと戦っている時よりも、違和感が・・・?)

18号「その余裕も、これまでだよ!!」

ススス・・・バッ

息の合ったコンビネーションで、フリーザへと襲い掛かる

フリーザ「ふ、はっ、でぇぇいい!!」

バババ、ヒュン、バキ、ドズッ!!

ドン、バシュウ、ズドドド!!!

フリーザ「む、むむむ!!」

絶え間ないコンビネーション攻撃で、少しずつフリーザの顔に焦りが見え始める

フリーザ「くっ!!」

一度距離を取るため、目くらましに地面に気弾を放つ

スタッ
スタスタッ

フリーザ「なるほど。二人がかりでなら相当手強い・・・なら、ボクも奥の手を使わせていただきますよ」

17号「奥の手だと?」

18号「ふんっ、なんだか知らないけど、あたしたちが使わせると思う?」

フリーザ「あなたたちが止められるとは思いませんけどね。止めたければかかってきなさい」

言いながら、気を高め始めるフリーザ

18号「言われなくても!」

バシュバシュバシュバシュバシュ!!

フリーザめがけて、連続気弾を放つ

ボンボンボンボンボンッ!!

しかしその気弾は、フリーザの周りに張り巡らされた気のバリアによって全て防がれる

フリーザ「ハアアアァァァァァァ・・・・・・」

ググググ・・・

フリーザ「かぁぁぁぁ!!」

18号「なっ・・・!?」

17号「へ、変身した・・・!?」

フリーザ「ふふふ、お待たせしましたね・・・こいつが、ボクのフルパワーだ!!」

17号「ふんっ、所詮はこけおどしだ!18号、もう一度行くぞ!!」

二人顔を突き合わせ、頷き合う

フリーザ「さぁ、始めましょうか!!」

グオオオォォォォォ!!

18号「でやあぁぁぁぁ!!!」

17号「はあああぁぁぁぁぁ!!!」

バシッドンッ

18号「なっ・・・」

17号「バカな!!」

二人の攻撃は、フリーザの右手と左足にいともたやすく止められていた

♯なんか勘違いさせたみたいでスマン 最終形態だよ フルパワーが奥の手

フリーザ「はっはっは!どうやらフルパワーになったことによって力に差がつきすぎてしまったようだな!!」

18号「くぅ、くそぉぉぉぉ!!!」

バッ、バババババババババババババババババ!!!!

ドドドドドドドドドドドドォォォォォ・・・ン

自棄になった18号が、距離を取りつつ連続気弾を打ちまくる

17号「くたばれぇぇぇぇ!!」

キュウゥゥゥゥゥゥン

バッ バッ

ドォォォオオオォォン!!

17号も18号と同じように距離を取り、大きな気弾を打ち放つ

18号「はぁ、はぁ・・・」

17号「はぁ、はぁ・・・」

攻撃を中断し、砂煙が引くのを待つ

フリーザ「やれやれ・・・そんなに砂煙を巻き上げてどうするんです?」

18号「なっ・・・バカな・・・!!」

17号「傷一つついてない・・・!?」

フリーザ「さて、そろそろ終わりにしましょうか」

人差し指を空向けて立て、デスボールを作り上げる

18号「あ、あ・・・」

17号「くそぉぉ!!」

フリーザ「終わりだ!」

ヒュウウウゥゥゥゥ・・・

18号「キャアアアアアアアアアァァァァァ・・・・・・・・・」
17号「クソオオオオオオオオオォォォォォ・・・・・・・・・」

ズオォォォォォ・・・

廃墟の都一帯が荒野と化す。砂煙が引いた頃、既にそこに17号、18号の姿はなかった」

フリーザ「終わりましたか・・・」

シュウウウウ・・・

変身を解き、以前の最終形態へと戻るフリーザ

悟飯「・・・フリーザ」

フリーザ「おや、悟飯。あなたがたの仇敵、人造人間は葬り去りましたよ」

悟飯「ああ・・・ありがとう。お前が来てくれなきゃ、俺たちはやられてたかもしれない」

フリーザ「ふむ・・・ボクに恩義を感じてくれるのなら、ひとつ、頼みごとをしてもいいかな?」

悟飯「頼みごと・・・?」

フリーザ「やれやれ・・・」

いくつかの墓標が並んだところに立つフリーザ

フリーザ「これが、ボクから宇宙最強の座を奪った男の姿とはねぇ・・・」

墓標には、「孫悟空 ここに眠る」と書いてあった

フリーザ「無責任な男ですよ、お前は・・・」

フリーザ「お前は、オレに殺されるべきだったと言うのに・・・」

悟飯「フリーザ・・・」

フリーザ「っ・・・いけませんね。最近は本当に感傷に浸ることが多くなったようです」

フリーザ「さ、孫悟空。今日はいい物を持ってきたんですよ。ボク一押しの、お酒です」

キュポッ トクトクトク・・・

フリーザ「・・・・・・・・・。お前は、天国にいったんでしょうね。いつか、ボクが死んだら会いたいとも思いますが・・・・それは無理でしょうね。」

フリーザ「ボクは罪を犯しすぎた。きっとボクが死んだ時には地獄に落ちるでしょう」

フリーザ「さ、次はあなたですか」

悟空の墓標の隣に立つ。そこには、「誇り高きサイヤ人の王子ベジータ ここに眠る」と書いてあった

フリーザ「なんともまぁ情けない姿になってしまって・・・」

フリーザ「あなたとは、いつかまた会うこともあるでしょう」

フリーザ「あなたは恐らく、地獄に落ちたでしょうからね・・・」

フリーザ「その時は、今度は下僕としてではなく、一人の戦士として、あなたと戦ってあげますよ」

フリーザ「あなたにも、このお酒をあげますよ。味わって飲みなさい」

トクトク・・・

フリーザ「さて・・・」

悟飯「もう、行くのか・・・?」

フリーザ「そこにいるのはわかってますよ」

悟飯「!?」

??「ほぉ・・・さすがは元宇宙の帝王。悟飯さえ気付いていなかったというのに・・・。」

フリーザ「人造人間と戦っている時の違和感の正体がわかりましたよ。」

悟飯「違和感?」

フリーザ「ええ。誰かと戦っている時には感じられていた何かが、奴らからは全く感じられなかった。」

フリーザ「今までは何かを感じるのが普通だったから疑問を抱いていたんですが・・・今わかりました。感じられていた何かは、あなたたちの言う「気」だったんですね。」

フリーザ「そして、あなた。あなたからは、忌々しい気を感じますよ。」

??「ふふふ・・・オレはお前の兄弟だぞ・・・?」

フリーザ「サイヤ人の気・・・孫悟空や、ベジータの気を感じますよ。何者ですか、あなたは?」

悟飯「・・・っ!?ほ、本当だ・・・!」

??「一応名を名乗っておこうか・・・オレはセル。Dr.ゲロさまが生み出した最高最強の人造人間だ」

フリーザ「人造人間なのに気を感じるのは何故ですか?」

セル「お前が知る必要はない・・・はあああぁぁ!!」

フリーザ「っ!?」

セル「さっきの戦い、一部始終を見させてもらったぞ!!余計なことをしやあがって!!」

フリーザ「余計なこと、ですか?」

セル「17号と18号を破壊しやがって・・・貴様はオレが殺してやる・・・!!」

フリーザ「ふん、面白い。しかし、ここで戦うのはよろしくないですねぇ」

セル「貴様の都合など知ったことか!!はぁぁ!!」

フリーザ「無粋な奴だ!!はっ!!!」

ドンッ!!

セル「グゥッ!!」

ヒュウウウウ・・・

セル「おのれぇ!」

フリーザ「ボクは今気が立ってるんだ」

セル「ふん、オレに勝てるとでも思っているのか?貴様の強さは知っている。貴様など、オレはおろか17号や18号にすら勝てん」

フリーザ「さっきの戦いを見ていたんじゃないですか?その二人はボクが消し去ったんですよ?」

セル「・・・」

フリーザ「あいつらは気がなかったが、実際に手合わせしてわかっているよ。お前・・・あいつらより弱いだろう?」

セル「ぐっ・・・!」

フリーザ「ボクはね。ボクより弱いくせに粋がって来た奴らを何人も見てきた」

フリーザ「そしてそいつらは一つの例外もなく無謀にもボクに挑み死んでいった」

フリーザ「お前も、そのクチかい・・・?」

セル「くっ・・・くっ・・・!」

悟飯(確かに・・・あの二人だと、フリーザの方が気が大きい)

セル「黙れえええぇぇぇ!!」バッ!

逆上したセルがフリーザに襲い掛かる

フリーザ「ふんっ!」ヒョイヒョイヒョイ

フリーザ「当たりませんよそんなもの!」

逆上したセルの攻撃をたやすく避け続ける

フリーザ「攻撃とはね、こうするんですよ!」

セルに背を向け、尻尾でセルの横腹を薙ぐ

セル「ぐぶっ!!」

更に今度は下から尻尾を振り上げ、セルの顎を強打する

セル「ぐがぁぁぁっ!!」

宙を舞い、そのまま地面に叩きつけられる

フリーザ「・・・・・・・・・。」スッ

倒れこんだセルに人差し指を突きつける

フリーザ「ボクに挑んだと言うことは、死ぬ覚悟があると言うことですね?」

セル「お、おのれっ・・・!」

フリーザ「さようなら」

ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッッッッッッッッッッ!!!!!

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッッッッッ!!!!!

セル「ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

突きつけた人差し指から無数のデスビームを放ち、セルの体を貫く

ゴオオオオオォォォォォ・・・・・・・・・。

セル「ぐぅぅぅぅぅ・・・・・・・・・。」

フリーザ「おや、生きているんですか?普通なら間違いなく死んでいる程の重症でしょうに。」

セル「ぐうぅぅ・・・がぁぁ!!!」ズルッ、ババッ!!

吹き飛ばされた体の四肢が、セルの気合と共に再生した

フリーザ「・・・!これは驚きましたよ。再生能力があるんですか、あなた」

セル「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

フリーザ(ふむ・・・あれほどの重症を負っても死なず、更には再生能力・・・)

フリーザ「まるでサイヤ人のしぶとさとナメック星人の再生能力を足し合わせたようですね」

セル「き、貴様が知る必要はない・・・!」

フリーザ「もっともです。では、死にますか、あなた」

今度は人差し指を上空に向ける。そこに、17号、18号を葬った時のデスボールよりも更に巨大なスーパーノヴァを作り上げた

セル「・・・!」

フリーザ「さようなら、人造人間。まぁ、そこそこ楽しめましたよ」

上空に向けていた人差し指を、セルのいる方向へ倒す。

セル「ぐっ・・・くそ、こんなものぉぉ・・・!」

セル「か、め、は、め・・・波ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

最後の悪あがきなのか、スーパーノヴァめがけかめはめ波を放つ。

フリーザ「無駄ですよ。塵となりなさい!」

ヒュィィィィィィィ・・・バシュウウウウ

セルの放ったかめはめ波は、やはり簡単に掻き消える。

セル「うおおおおおおおおおおお!!!」

今度は生身でスーパーノヴァを受け止める

フリーザ「やれやれ、諦めが悪いですね。はっ!!」

セル「畜生・・・ちくしょう・・・チクショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」

ズズズズズ・・・・カッ

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ・・・ン

セルの体を完全に飲み込み、上空で大爆発を起こした。

フリーザ「さて。これでもうこの星に用はなくなりましたね」

悟飯「ありがとう、フリーザ。本当に感謝する」

フリーザ「いえいえ、礼には及びませんよ。では・・・縁があれば、宇宙の果てでまた会いましょう」

ウィィィン・・・ガコォン

宇宙船に乗り込み、宇宙へと飛び立つフリーザ

悟飯「父さん・・・見てましたか。あのフリーザが、地球の危機を救ってくれたんですよ」

フリーザの宇宙船を見送りながら、悟飯は亡き悟空に言葉を向ける

悟飯「・・・・・・これで、戦いは終わりだ・・・」

その言葉と共に、悟飯は地面に倒れこんだ

フリーザ「さて・・・ボクも最後に、やらなければならないことがありますね」

フリーザ「未だ宇宙で暴れ続けるお兄さんとパパを、止めないとね・・・」

フリーザの乗る宇宙船は、惑星コルドへと向かっていた

フリーザ「先ほどの戦いでわかりましたよ。ボクの力は、やはり以前より数倍上がっている」

フリーザ「今なら、お兄さんにも勝てるかもしれませんね・・・」

フリーザ「だが、慢心はしないでおきましょう。その慢心が、孫悟空に敗北するという結果を招いたのですからね。」

フリーザ「さて、ここからだとどれくらいかかるのでしょうか・・・」

フリーザ「・・・約1年ですか。さすがに遠いですね。では、どうしましょうか・・・このまま動かずにいると体がなまってしまいそうですね」

フリーザ「しょうがない。途中、いくつかの惑星によって体慣らしでもしながら行きましょうか」

いくつかの星によりつつ進み、惑星コルドに到着したのはそれから二年ほど経ってからだった

フリーザ「ただいま戻りましたよ、パパ」

コルド「おお、フリーザや!一体どうしたというのだ?しばらく連絡が取れなんだから心配したのだぞ」

フリーザ「その点については、謝っておきますよ。ちょっと、ある男に敗北してから修行に明け暮れていましてね」

コルド「・・・今、なんと言った、フリーザ?『ある男に敗北した』・・・と言ったのか?お前ほどの者が。」

コルド「して、その『ある男』はどうしたのだ?もちろん、始末したのであろうな?」

フリーザ「ええ、もちろん。ですが、あれからボクの考え方も変わりましてね。そのことをパパに伝えようと思って」

コルド「なんだ?言ってみろ」

フリーザ「正直、今のボクは宇宙征服なんかどうでもよくなりましてね。ひとりで、静かに暮らそうと思うのです。」

コルド「なっ・・・何を寝言を言っているのだフリーザ!」

フリーザ「ボクは全く寝ぼけてはいませんよ。考え方が変わった、と言ったでしょう。」

コルド「おのれ、フリーザ・・・誰に感化されたのだ!?わしがお前をそそのかしたやつを血祭りに上げてくれるっ!!」

フリーザ「おやめくださいパパ。もう無駄ですよ。なんせ孫悟空・・・スーパーサイヤ人はもう死んでしまっているのですから。」

コルド「おお、フリーザや・・・スーパーサイヤ人などと・・・疲れているのだろう。ゆっくりと休むといい」

コルド「おい、そこのお前。フリーザを部屋まで連れて行ってやれ」

幹部兵「はっ。さぁ、フリーザ様。こちらです。」

ヒュン、ズバッ

コルド「!? ふ、フリーザ!何の真似だ!?」

フリーザ「やれやれ・・・パパ、もうひとつボクから言っておく事があります」

フリーザ「もう、宇宙で暴れるのはやめにしましょう。平穏な暮らしも、なかなか悪くないものですよ」

コルド「フリーザや・・・お前はもう以前のフリーザではなくなってしまったのだな・・・。そのような腑抜けたことを言うお前は哀れすぎて見ていられん」

フリーザ「ボクが哀れ、ですか。しかしそれは、ボクからみたパパやお兄さんも同じようなものですよ」

コルド「せめてもの情けだ。お前は、わしがこの手で葬ってやろう」

ゆっくりと、その重そうな腰を上げる

フリーザ「戦う気ですか?現役を引退したパパが、長年修行して更に力をつけたこのボクと?」

コルド「父を舐めるなよ、フリーザ。ぬうううぅぅぅぅぅ・・・!!」

低い声を上げ、声を高めていく

フリーザ「・・・・・・・・・。」

コルド「これが、お主の父の本気だ・・・!!」

フリーザ「確かにパワーはかなり上がったようですが、それでもボクには及びませんね」

コルド「な、なんだと!?」

フリーザ「戦うだけ無駄ですよ、パパ」

フリーザ「ボクはパパを殺すつもりはありませんから、ここから逃げ、どこかの星でひっそりと平穏に暮らすというのなら見逃しますよ」

コルド「ぬぅぅ・・・」

唸りながら、右目に装着しているスカウターのスイッチを入れる

ピピピピピッ

コルド「・・・!!!フリーザ、お前いつの間にそこまで・・・!?」

フリーザ「さて、ね。ボク自身、一心不乱に修行を重ねてきましたから。で、今のボクの戦闘力はどれくらいなのですか?あなたの口から聞かせていただきたいですね。」

コルド「・・・フリーザや。わしは嬉しいぞ。わしの見立ては、やはり間違ってはいなかった。もう興味など無いのかも知れんが、今のおぬしは間違いなく宇宙最強だ。」

フリーザ「それはそれは。ありがたいお言葉ですね。で、どうするんですか?」

コルド「それ故に、残念だ。お主の心はもう宇宙を統べる帝王失格だ」

フリーザ「・・・・・・・・・。」

コルド「わしは穏やかに暮らすつもりなどない。今ここでお前と戦って死ぬのも・・・悪くはないかも知れぬな」

フリーザ「冗談はやめてくださいよ、パパ」

コルド「あとはお前の兄・・・クウラとどちらが強いのかさえはっきすればいいのだがな」

フリーザ「ご安心を、パパ。ここが片付いたら今度はお兄さんのところに行こうと思っていましたから」

コルド「そうか。ふふふ・・・お前を超える戦士はもう現れんだろうな。それだけでわしは満足だ。さぁ、来いフリーザ。貴様の父の最期の姿、その眼に焼き付けるがいい」

フリーザ「本当に、死ぬ気なんですね・・・パパ」

クウラの宇宙船―――

サウザー「クウラ様。惑星コルドに到着致しました」

クウラ「そうか。父上に会うのも久しぶりだ」

サウザー「しかし、妙ですね。クウラ様がお帰りになったと言うのに、出迎えがないとは」

クウラ「そんなものは不要だ。では、オレは父上のところに行ってくる。お前たちは宇宙船の中で待っていろ」

機甲戦隊「はっ!お気をつけて!」

クウラ「うむ」

クウラ「なんだ、この有様は・・・!?」

クウラの向かった先。惑星コルドに立つ巨大な城は、その8割方が崩壊していた

クウラ「一体何が・・・!?我々コルド一味に歯向かう愚か者どもがまだこの宇宙に存在するとは・・・!」

どおおおおおぉぉぉぉぉん・・・!!

上空から見下ろしていると、城の後方で巨大な爆発音が響いた

クウラ「!! まだ戦いは続いているというのか!?」

爆発のした方に顔を向け、装着しているスカウターを起動させる

クウラ「・・・な、なんという数値だ・・・!?父上やフリーザよりも更に大きい・・・!」

クウラ「まさか、スーパーサイヤ人!?」

クウラ「おのれフリーザめ。生き残った何人かのサイヤ人からとうとうスーパーサイヤ人が誕生したのか!?だからあいつは甘いと言うのだ!!」

クウラ「とにかく急がなくては!父上がやられているかもしれん!」

城内、王の間―――

フリーザ「おや、お兄さん」

コルド「」

ポタッ・・・ポタッ・・・

クウラ「・・・!?フリーザ、これはどういうことだ!?」

フリーザ「どういうも何も、お兄さんの見たとおりですよ」

フリーザの手の先には、血まみれのコルドが喉元を持ち上げられていた

クウラ「まさかお前が反旗を翻すとはな・・・」

フリーザ「ボクは見逃すつもりだったんですがね。パパが退いてくれなかったから、仕方なくこうしたわけですよ」

ブンッ ドサッ

フリーザ「同情の余地はないとは言え、実の父上を手にかけるというのは気分のいいものではないですね」

クウラ「父上!・・・・・・。」

コルドは既に事切れていた

フリーザ「おや、これは意外ですね。お兄さんも、パパに反旗を翻す機を窺っているクチだとばかり思っていましたが」

クウラ「フリーザ、目的はなんだ?父上を殺したら、次の標的はオレか?」

フリーザ「まぁ、そうなりますね。でもその前に、ひとつだけ問いたいことがあります。」

フリーザ「お兄さん、もう宇宙で暴れるのはやめにしましょう。」

フリーザ「今ボクが一番欲しているのは、平穏な時間です」

クウラ「平穏な時間だと?ふっ、笑わせるな。我らコルド一族は、遥か昔からずっと宇宙に君臨してきた宇宙最強の一族だ」

クウラ「平穏な暮らしなど、我らとは対極に位置しているということだ」

フリーザ「ボクは強欲でしてね。正反対のものが急に欲しくなったんですよ」

クウラ「ふざけるなぁぁぁああ!!!」

グゴゴゴゴゴ・・・

フリーザ(っ・・・!いきなり変身ですか・・・!!)

クウラ「フリーザ。父上の仇、長兄クウラが取る。覚悟しろぉ!!」

ググググ・・・

クウラ「ふははは・・・オレに勝てるかな、フリーザ?」

フリーザ「さすがに簡単に勝てると思えるほど自惚れてはいないつもりですよ」

フリーザ(さて、お兄さんに対してはボクもフルパワーで挑まなければいけませんね)

フリーザ「ハアアアァァァァ・・・!!」

フリーザ「かあああぁぁ!!」

クウラ「ふん、苦し紛れにそんな姿になっても、オレには勝てんぞ!!」

フリーザ「やってみなければわかりませんよ!!」

クウラ「フリーザ!!どちらが宇宙最強か、証明してくれる!!」

ぐああああっ!!ブン!!

フリーザ「ぬおおぉっ・・・!!」

クウラの渾身のまわし蹴りを腕でガードする

フリーザ「はっっ!!」

クウラ「む!!」

ドオオォ・・・ン

左手をクウラの胸近くにかざし、エネルギー波を放つ

クウラ「ぐぐ・・・フリーザ、貴様なぜこれほどの力を・・・!?」

フリーザ「・・・ショックですね。昔から比べてかなりのパワーアップをしたはずなのに、今ほどのエネルギー波でそれだけのダメージとは」

クウラ「生意気な奴め・・・!はあああああっっ!!」

バシュウウウウウウウ!!

フリーザ「ぬううう!!」

バシ、ドオオォォォ・・・ン

フリーザ「くっ・・・」

クウラ「おのれ・・・!このオレが、フリーザと互角だと!?こんなバカな話が・・・!」

フリーザ「ボクはね・・・一度敗北を経験したんですよ・・・!」

クウラ「・・・なんだと・・・?」

フリーザ「生き物というのは不思議でしてね。経験が豊富な方が強くなれるみたいですよ」

クウラ「ふん、弱者の理論だな!」

フリーザ「弱者の理論だろうと、それは事実だとボクは思っています」

フリーザ「現にサイヤ人などは、死の淵から這い上がる度に驚異的に力が増すではないですか」

クウラ「・・・・・・・・・。」

フリーザ「まぁあれはサイヤ人の血そのものの特性でしょうけどね。ボクが言いたいのは、心構えの話ですよ」

クウラ「知った風なクチを聞くようになったな、フリーザ」

フリーザ「それならあなたに問いましょう。あなたは、誰かを超えたいという願望はありますか?」

クウラ「宇宙の頂点に立つ我らコルド一味には不要な願望だな」

フリーザ「そうですか。ボクにはいましたよ。ボクがここまで強くなれたのは、このボクを負かした男を超えたいという一心で修行に暮れたからです」

クウラ「ほう・・・。負けた相手というのは誰だ?貴様を葬った後、オレが直々に始末しに行ってやる」

フリーザ「もう、この世にはいません。さすがのサイヤ人も、病には勝てなかったみたいです」

クウラ「! サイヤ人に負けたのか、フリーザ!」

フリーザ「ええ。金髪のサイヤ人・・・恐らくは、伝説に聞く「スーパーサイヤ人」という奴でしょうね」

クウラ「スーパーサイヤ人・・・」

フリーザ「それは凄まじいパワーでした。当時のボクでは歯が立たないくらいにね」

クウラ「ははははは!!!お笑いだぜ!!あんなに蔑んでいたサイヤ人に負けるなんてな!!」

フリーザ「ボクに勝ち逃げを決め込むなんてね・・・生意気な奴だった」

クウラ「だがお前には感謝しているぞ!おかげで父上に反逆することなく全宇宙を掌握できる!貴様さえ倒せばなぁ!!」

クウラは自身の手を上空に上げ、スーパーノヴァを作り始める

フリーザ「あなたに負けるわけには行きません。ボクも全力で行かせてもらいますよ!!」

体勢を低く構え、右手に全エネルギーを集中する

クウラ「この世に宇宙最強は二人もいらん!このオレが、宇宙最強だ!!はぁぁぁぁぁっ!!!」

フリーザ「貴様は、ボクが消し飛ばす!!!ずえええええぇぇぇぇぁぁぁあああああ!!!」

二人の渾身の力を込めたエネルギー同士がぶつかり合った

クウラの宇宙船―――

サウザー「おかしい・・・」

ネイズ「どうしたんだ、サウザー?」

サウザー「お前らは気付かんのか?さっきから、大きな気が二つ、ぶつかり合っているようだ」

ドーレ「クウラ様が誰かと戦っているでもいうのか?」

サウザー「それはどうなのか知らんが・・・スカウターの数値を見る限りは互角の戦いみたいだ」

ネイズ「この惑星に攻めてくるなんて、度胸のある奴がいるもんだな」

サウザー「む、片方の気が小さくなっていく!」

ネイズ「決着がついたのか?」

サウザー「わからん・・・様子を見に行ったほうがよさそうだな。ネイズ、ドーレ。行ってみよう」

ピピッ・・・ピピッ・・・

サウザー「む?この宇宙船に近づいてくる数値はなんだ!?」

ドーレ「お前のスカウター壊れてr

ドオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!

フリーザ「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

フリーザ「や、やりましたよ・・・兄を・・・クウラを倒した・・・」

フリーザ「お兄さんの乗ってきた宇宙船も巻き込んでしまいましたが・・・ま、いいでしょう」

フリーザ「うっ・・・くそ・・・力を使いすぎたみたいですね・・・さすがに眩暈が・・・」

フリーザ「まぁ、もう急いでやることもありませんし、休ませてもらいましょう・・・か・・・」

ひゅううううう・・・スタッ

フリーザ「い、意識が薄れる・・・」

スタ・・・スタ・・・

フリーザ「メディカルマシーンのところに・・・急がないと・・・」

スタ・・・スタ・・・

フリーザ「これで・・・ボクも平穏に・・・暮らせますかね・・・」

スタ・・・スタ・・・

フリーザ「こんなに消耗したのは・・・あの時の、孫悟空との戦い以来・・・ですかね・・・」

スタ・・・スタ・・・ドサッ

フリーザ「・・・ははは・・・。参りましたね・・・。体に、力が入らない・・・」

フリーザ「ここで、少しだけ・・・休んでから行きましょうかね・・・」

ゆっくりと眼を閉じる

フリーザ「ここは・・・?」

気がつくとフリーザは、見知らぬ地に立っていた。

??「よぉ、フリーザ!」

フリーザ「?」

声のした方を振り向く

フリーザ「・・・孫、悟空・・・」

悟空「あれから腕ぇあげてオラにリベンジに来たんだって?でもオラは更に腕ぇ上げてっぞ!」

バシュゥゥ!

フリーザ「スーパーサイヤ人・・・」

悟空「さ、やるかフリーザ!」

それは夢なのか、それとも死後の世界なのか・・・フリーザにはわからなかった

フリーザ「・・・ふ、ふふ・・・!何を驚いてるんだ、ボクは。そもそも、これがボクが強くなった当初の目的じゃあないか」

悟空「何をわけのわかんねぇことをごちゃごちゃ言ってんだ?こねぇならこっちから行くぞ!」

フリーザ「いえ、少しばかり感慨に浸っていただけです」

フリーザ「今日こそ、貴様を越えて、ボクは宇宙最強の名を取り戻す!!」

悟空「その意気だ、フリーザ!行くぞ!!」

フリーザ「ふはは・・・戦いがこんなに楽しいと感じるなんてね・・・あなたたちサイヤ人に感化されたんでしょうか!でも、悪くない気分だ!」

悟空「そっか!オラも、つええ奴と戦ってる時はすっげぇ楽しいぞ!ははは!」

バキッ、ドゴォ、グシャ!!

ズン、ドドド、バゴォ!!

フリーザはこの時、心の底から悟空との戦いを楽しんでいた―――

下級兵A「お、おい・・・あそこに倒れてるの・・・?」

下級兵B「フリーザ様・・・か・・・?」

フリーザ「」

下級兵A「・・・死んでるぞ」

下級兵B「でも・・・なんかすごい嬉しそうな顔してるな」

下級兵A「これで、コルド一味は全滅したことになるのか・・・」

下級兵B「ど、どうする?」

下級兵A「とりあえず、この事を生き残ってる他の奴らにも知らせよう」

下級兵B「そ、そうだな」

こうし、コルド一味は壊滅した

この事実を知ったコルドやクウラ達の部下は、二人を倒したフリーザに感謝しつつ惑星コルドに彼の墓標を作った

そしてその報は、宇宙全域に存在するフリーザ配下の星、クウラ配下の星、コルド配下の星にも届く

ただ、真にコルドやクウラを崇拝していた幾らかの部下は、その一切が姿を消した

大量に存在していた彼らの部下は、母星が無事な者達は母星へ

母星が滅んでしまっている者達は惑星コルドに根付き、混合惑星フリーザとその名を変えてフリーザを英雄と称えた

数年後、コルド一味崇拝部隊が結成されることになるのだが、それはまた別のお話―――

終わり
 
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1 . 名無しさん  ID:VcP7ZMeo0編集削除
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2 . 名無し  ID:.8BxZryA0編集削除
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3 . @  ID:xzb2ErmA0編集削除
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